SPAC芸術総監督 宮城聰氏講演要旨 多様な価値観、演劇発信 サンフロント21懇話会

 静岡新聞社・静岡放送の「サンフロント21懇話会」の第28回全体会が22日、沼津市で開かれ、県舞台芸術センター(SPAC)芸術総監督の宮城聰氏が「世界から見た日本の芸術 そして静岡のこれからは~県東部地域における文化力の向上に向けて」をテーマに記念講演を行った。

世界から見た日本の芸術について講演したSPACの宮城芸術総監督=沼津市内
世界から見た日本の芸術について講演したSPACの宮城芸術総監督=沼津市内

 同懇話会の伊東哲夫運営委員長は2023年度の活動方針案を説明した。方針案の基本テーマには、コロナの時代に即した伊豆東部の観光創造、文化力向上を支援▽愛護から共生へ。動物と人との一層の近接化支援―など4項目が示された。

講演要旨
 宮城氏の講演要旨は次の通り。
 歴史をさかのぼるとどの時代、地域にも演劇はある。人とつながる手段、他人の人生を経験してみたい気持ちから生まれた。人は生まれて間もないころ泣いていると周囲が気にかけてくれる。ただ言葉を得ると(旧約)聖書の失楽園のように、幸せな状態に戻れず孤独になってしまう。
 演劇の条件は身体▽言葉▽集団の3点でどれも人が逃れたいと思っているくびき。夢のない表現だが、楽しい気持ちを劇場から日常に持ち帰ることができることがメリットだ。
 人口が東京に流れてしまっているのは多様な価値観が容認されている国内唯一の場所だから。演劇で子どもたちにいろんな人がいるというアピールをしたい。幼い子への演劇にも力を入れていきたい。高校生たちに「人と違うことを考えることが楽しい」ということを教えるべきだ。もう一つの学校として劇場が寄与できる。
 相手の文化にリスペクト(敬意)を持てばジェノサイド(民族大量虐殺)は起こらない。積極的にアピールするためには日本語の存在感を示すべきで、演劇を活用してほしい。

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