リニア・ボーリング計画 静岡県が見直し要求 JR東海に意見書

 リニア中央新幹線南アルプストンネル工事に伴う大井川水問題を巡り、県は21日、JR東海が予定している山梨県から静岡県側に向けた高速長尺先進ボーリングについて「県が指摘した課題の対策が説明されるまで、現行計画のまま実施しないことを強く求める」とする意見書を発出した。国土交通省にも、同ボーリングによる湧水の県外流出への対策や地域説明を十分行うよう、JRへの指導を求める文書を出した。
 JRへの意見書は、4日に開いた県有識者会議地質構造・水資源専門部会で同社が示した同ボーリングの計画に対し、専門部会委員と県の意見を32項目にまとめた。特に同ボーリングによる湧水の県外流出の重要課題として、県外流出のリスクと回避策が示されていない▽生態系保全の議論が行われていない▽モニタリングの説明がない―の3点を挙げ、現行計画で同ボーリングを行わないよう求めた。
 国交省宛ての文書は同ボーリングで「断層帯の水が抜けるリスクがある」として、JRへの指導を要請した。

「賛成、懸念ある」「次の機会に説明」JR東海社長一問一答
 JR東海の金子慎社長が名古屋市内で21日に行った定例記者会見の主なやりとりは次の通り。
 ―山梨県側から静岡県境を越えて実施する高速長尺先進ボーリングが、静岡県内に到達するめどは。
 「早ければ(来年の)4月ごろに県境付近に到達できるのではと考えている。同ボーリングについては県の専門部会でいろいろな意見を伺ったので、水を戻す方策とともに調査の必要性を説明していきたい」
 ―県内区間の同ボーリング実施は、大井川流域市町の首長や県との合意形成がまだない状態。県境付近で掘削を止める可能性は。
 「同ボーリングには流域の懸念を解消するために重要なデータを集めるという目的もある。流域市町からは賛成する意見もある一方、懸念も示されている。まだ時間はあるため(専門部会など)次の機会に話をしたい」
 ―県境付近の断層破砕帯に同ボーリングが到達し、突発湧水が出る想定はしているか。
 「同ボーリングは、断層破砕帯の状況も含めてよく分からないことがあるので調査をするという計画。静岡県内では湧水が管理値の10メートルあたり毎秒50リットルに達すれば中断する。同ボーリングの口径は小さいため、大井川の水資源利用に影響を与える可能性は極めて小さいと考えている。湧水は少し発生するかもしれないが、だからといって調査をやめてしまってよいのかというのが私たちの考え。発生した湧水は計測し、返水も考えている。この取り扱いを静岡県と議論していく」

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