ホンダ eVTOL開発担当者 技術革新で空の移動身近に 浜松商議所が講演会

 浜松商工会議所の宇宙航空技術利活用研究会は16日、「ホンダ eVTOL(イーブイトール)」(電動垂直離着陸機)の開発に携わる本田技術研究所の新モビリティ領域統括フェロー川辺俊氏を招いた講演会を浜松市中区で開いた。「空飛ぶクルマ」と呼ばれるeVTOLなどの新領域に挑戦する意義や将来展望を語った。

本田技術研究所の川辺俊氏がeVTOL開発などについて説明した講演会=16日午後、浜松市中区
本田技術研究所の川辺俊氏がeVTOL開発などについて説明した講演会=16日午後、浜松市中区

 川辺氏は、ホンダの自動車やF1、航空機「ホンダジェット」などの事業に立脚した技術開発力を生かして推進するeVTOL事業の現状を紹介した。
 機体は電池とガスタービンを搭載したハイブリッド型で、航続距離は400キロを想定。eVTOLを核に、地上サービスと連携させて「人が活躍する時間や空間を拡大する新たなモビリティエコシステム」の構築を目指すとした。安全性確保のために厳格に審査される認証の取得が必要で、本格的な事業展開は2030年以降になるとの見通しを語った。
 空飛ぶクルマの将来の市場規模は40年に150兆円に成長するとの米モルガン・スタンレーの予測もある。川辺氏は変革期の四輪や二輪の次の事業の柱になることを挙げ、「フロンティアを目指し、宇宙航空分野に新たに挑戦していくべき」と呼びかけた。研究会会員企業などの75人が聴講した。

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