静岡人インタビュー「この人」 伊東按針会の新会長 武智幹夫さん(伊東市)

 徳川家康の外交顧問として活躍し、伊東市で日本初の洋式帆船を建造した英国人ウィリアム・アダムス(三浦按針)。按針の功績を顕彰する市民団体の3代目会長を6月から担う。写真スタジオ「タケチカメラ」(同市猪戸)の代表。79歳。

武智幹夫さん
武智幹夫さん

 ―按針の日本、伊東との関わりは。
 「5隻の船団でオランダを出発し、1年10カ月後の1600年4月に現在の大分県臼杵市に到着した。たどり着いたのは按針が乗った『リーフデ号』のみ。命がけの航海だった。伊東では2隻の船を建造した。1隻は『サン・ブエナ・ヴェンツーラ号』で、市内の按針メモリアルパークには地元彫刻家の重岡建治さんが手がけたモニュメントや、按針の胸像がある」
 ―按針会の活動は。
 「按針の生誕日(1564年9月24日)に合わせて生誕祭を開いていて、今年は36回目を行った。雨天のためパークでは実施できなかったが、開催前には地元の伊東、伊東商両高の生徒が協力してモニュメントの清掃を行った。生誕祭はコロナ禍で規模の縮小はあったが、絶やすことなく続けている」
 ―他地域とのつながりは。
 「10月にはリーフデ号の船尾に取り付けられていたオランダの人文主義者エラスムスの複製像を伊東市役所で展示した。交流のある神奈川県横須賀市の顕彰団体の会長が企画し、栃木県佐野市から運んだ。関連の講演会も開いた」
 ―今後の展望は。
 「メモリアルパークでQRコードなどを活用し、多言語で歴史を伝える仕掛けをつくりたい。伊東の子どもたちには地元に関係した歴史を知ってもらい、郷土に愛着を持ってもらえるようにしたい」

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