「つらさは未来につながる」 東京パラ金メダリスト杉浦さん、御前崎で講演

 御前崎市と掛川人権啓発活動地域ネットワーク協議会はこのほど、「人権講演会」を御前崎市白羽の市文化会館で開いた。講師は東京パラリンピック自転車競技金メダリストの杉浦佳子さん(51)=掛川市出身=。命が危ぶまれる大けがから再起した半生を基に、「つらさは未来につながる」と熱弁した。

講演する杉浦佳子さん(右)=御前崎市白羽の市文化会館
講演する杉浦佳子さん(右)=御前崎市白羽の市文化会館

 杉浦さんはかつて妹が御前崎市内で経営する薬局に薬剤師として勤務していた経験があり、「御前崎市からの講演依頼は本当にうれしい。お薬を渡したことがある方がいるかもしれない」と笑顔で聴衆に語りかけた。
 2016年に自転車のレース中に転倒し、記憶障害や半身まひを負った。「支えてくれる人たちの喜ぶ顔が見たい」との思いを原動力に懸命なリハビリを経て競技に打ち込み、21年の東京パラで二つの金メダルを獲得した。「障害を負って人の役に立てないと思っていた私が、『感動をありがとう』と言われた。生きていて良かった」と振り返り、24年のパリ・パラリンピックに向けて「失敗は怖くない。金メダルを目指して頑張る」と宣言した。

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ