リニア工事 県境越えボーリング調査 国交相「議論見守る」

 斉藤鉄夫国土交通相は6日の閣議後会見で、リニア中央新幹線南アルプストンネル工事に伴い、JR東海が山梨県から静岡県との県境を越えて実施する方針を示している高速長尺先進ボーリングについて「今後、静岡県とJRとの間で行われる具体的な計画に関する議論を見守りたい」との考えを示した。
 JRがトンネル掘削工事に先立つ調査と位置付けて2023年1月からボーリングを始める計画を提示しているのに対し、県は工事の一環と捉え、湧水の県外流出につながる懸念があるとして認めていない。斉藤氏はボーリングに関し、JRが昨年12月の国交省専門家会議の中間報告も踏まえ「静岡県内での地質やトンネル湧水の不確実性に対応するため、実施の表明をした」との認識を示した。
 その上で、今月3日に島田市で開催された大井川流域8市2町と専門家会議委員との意見交換会を挙げ「出席した市町の大半の首長は(ボーリングを)『行った方がいいのでは』という意見だったと報告を受けている」と説明。「JRが地域の方々と向き合い、理解と協力が得られるよう、引き続き指導していく」と強調した。

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