子どもに異変も 保護者憤り「5月から体にあざ」 裾野・元保育士逮捕

 裾野市の私立さくら保育園で複数の園児に暴行したとして、当時の保育士の女3人が4日、裾野署に逮捕された。子どもの成長を見守り、支えるはずの保育士による事件。保護者からは「子どもの異変を感じていた」「暴言を吐かれたことがある」などの憤りと、「笑顔が印象的な先生だったのに」といった驚きの声が入り交じった。

押収した資料を運び出す捜査員=4日午後3時50分ごろ、裾野市のさくら保育園
押収した資料を運び出す捜査員=4日午後3時50分ごろ、裾野市のさくら保育園
裾野・さくら保育園の園児虐待事件経過
裾野・さくら保育園の園児虐待事件経過
押収した資料を運び出す捜査員=4日午後3時50分ごろ、裾野市のさくら保育園
裾野・さくら保育園の園児虐待事件経過

 市は暴行などの行為が6月ごろからあったことを把握しているが、1歳児クラスに子どもを通わせる保護者は、子どもの体にあざやかさぶたが見つかる、激しく泣く、暗闇を怖がるなどの異変が「5月上旬ごろから生じた」と証言する。「保育とは全く別物。一度や二度ではなかった」と訴える。容疑者の女(30)から、5月か6月ごろ「のろまな親子がいらっしゃいましたよ」などと言われたことがあったという。
 別の保護者は、容疑者の女(38)について「朗らかでいつもにこにこしていた。(逮捕は)想像がつかない。(子どもが)怖いと言ってきたことがあったが、そんな風には見えなかった」と驚く。ここ数日の園を「他の先生が憔悴(しょうすい)していた印象。迎えに行ったら謝罪の言葉があった。一からやり直してほしい」と改善を願った。
 20代の保護者は「保護者の前で謝罪がなく不満もある。1人と連絡が取れないという話もあったが、捕まって良かった」と受け止めた。
 同園を運営する社会福祉法人桜愛会(同市)の事情を知る関係者によると、同園は地元で人気があったが、経営陣の交代や運営規模の拡大などで「保育士への指導が不十分になったのでは」と推測した。

 ■「市の初動に遅れ」 市長が自身と職員処分検討
 裾野市の村田悠市長は4日、園児への暴行容疑でさくら保育園の当時の保育士3人が逮捕された事件を受けて報道陣の取材に応じた。一連の虐待行為について園から市に情報が寄せられてから、市長に報告が上がるまで3カ月が経過していたことを公表。市の初動や情報伝達に不手際があったとして、自身と関係者を処分する考えを示した。
 市によると、園関係者から8月17日に一連の虐待行為に関する情報が寄せられ、同月22日に園を是正指導した。ただ、村田市長に報告が上がったのは11月28日と遅れ、園が保護者向け説明会を開いたのも翌29日だった。
 担当部署は「正確な情報を伝えるため」などとしたが、村田市長は「保護者への説明を含め、8月時点で速やかに公表すべきだった」として、管理監督責任者としての自身の給与返上や職員の処分を検討するという。
 一方、村田市長はさくら保育園から5日に臨時休園すると連絡があったことを明らかにした。6日以降の対応は未定で休園が長引く可能性もあるとして、市内他施設に協力を呼びかけて園児の受け入れ態勢を整える方針。市によると、同園と分園は園児171人が利用している。

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