住民連携で備え確認 「地域防災の日」静岡県東部各地で訓練

 「地域防災の日」の4日、静岡県東部の各地で訓練が行われた。避難所の運営訓練や地元の要介護者が避難所へ向かう際の補助など、実践に即した内容をこなした。

要支援者の避難を補助する家族と住民ら=富士市森下
要支援者の避難を補助する家族と住民ら=富士市森下
防火水槽から引き上げた水を浄化する訓練=函南町の農村環境改善センター
防火水槽から引き上げた水を浄化する訓練=函南町の農村環境改善センター
マンホールトイレの設置手順を確かめる参加者ら=伊東市立門野中
マンホールトイレの設置手順を確かめる参加者ら=伊東市立門野中
避難者(右)から情報を聞き取る市職員ら=伊豆の国市の韮山小体育館
避難者(右)から情報を聞き取る市職員ら=伊豆の国市の韮山小体育館
要支援者の避難を補助する家族と住民ら=富士市森下
防火水槽から引き上げた水を浄化する訓練=函南町の農村環境改善センター
マンホールトイレの設置手順を確かめる参加者ら=伊東市立門野中
避難者(右)から情報を聞き取る市職員ら=伊豆の国市の韮山小体育館


富士・要支援者の避難手助け
 富士市では約380カ所で計約4万2千人が訓練に取り組んだ。昨年度から内閣府や県の個別避難計画作成モデル事業に取り組む富士南地区では、計画作成済みの要支援者11人が自宅から避難所に向かう道のりを住民らで補助した。
 足が不自由な特別支援学校の生徒宅には支援者として登録する民生委員らが向かい、バギー型車いすが通行できる避難経路を家族と確認しながら進んだ。高齢者宅では浸水被害を想定し、階段で最上階に上る補助をした。
 災害発生時に近くの支援者と要支援者を引き合わせるアプリも試験導入した。参加者の位置情報が分かり、市職員が避難の進捗(しんちょく)状況を時間差なく確認した。
函南・大規模断水を想定 給水を練習
 函南町では指定避難所や遺体収容所の開設運営、ヘリコプターの誘導・離着陸など多彩な訓練が行われ、町内全域で約1200人が参加した。
 大規模な停電、断水を想定した給水訓練では、役場庁舎北側にある約60立方メートルの貯水槽から給水タンク車に水を入れる手順を確認した。 丹那地区の農村環境改善センターでは自家発電機で水を袋詰めする機械を作動させ、住民に提供する1リットルずつの水パックを作った。地下の防火水槽から引き上げてろ過した水に塩素を加え、飲料用に浄化する訓練も行った。

伊東・マンホールトイレ組み立て学ぶ
 伊東市の市立門野中では、マンホールトイレの設置訓練が行われた。地域住民ら約20人が組み立て手順を実践で学び、被災時に備えた。
 市職員がパネルを組み上げて便座を設置し、校内のマンホールをトイレとして利用できるようにした。参加者は作業の過程を写真撮影したり、座って使用感を確かめたりした。プールから注水し、管に水が流れることも確認した。
 講話では市危機対策課の担当者が、土砂災害の発生メカニズムや日頃の防災活動について解説した。災害への心構えについて「今まで大丈夫だったという考えはやめる」などと伝えた。

伊豆の国・状況把握の方法を確認
 伊豆の国市では、四日町区民を対象に韮山小体育館で避難所運営訓練を行った。
 区民が次々と避難してくる中、受付で市職員らが代表者に人数や乳幼児の有無を聞き取るなど、状況把握の方法を確かめた。市防災指導員による講座や簡易トイレの展示なども実施した。
 竹内堅二区長は「区民が少しでも被害に遭わないようにしたい」と話した。

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