熱海高と旅館の事例 産官学連携の重要性理解 静岡県教育研究会

 静岡県教育研究会商業部会はこのほど、地域と学校の連携や地元就職率の向上をテーマにしたパネル討論会を熱海市下多賀の旅館「ニューとみよし」で開いた。県内の商業科設置校の教員が、熱海高の実習「高校生ホテル」などの事例を通じて産官学の連携の重要性に理解を深めた。

高校生ホテルの目的や成果などを紹介する小見山教諭(右)=熱海市下多賀
高校生ホテルの目的や成果などを紹介する小見山教諭(右)=熱海市下多賀

 高校生ホテルは観光地の特色を生かして地域に根付く人材を育てようと、熱海高が同旅館の協力を得て2016年に始まった。接客などの訓練を重ねた生徒が2日間、同旅館を運営する。
 パネリストを務めた同校の小見山秀彦教諭は「単発ではなく、継続した取り組みにするために地域の人に生徒を育ててもらう環境づくりが重要」と述べた。同旅館の富岡篤美社長は「生徒の地元就職率向上につながればと思い協力してきた。実際に成果が表れ始めている。人材が育たない地域に将来はない」と強調した。
 市や熱海商工会議所の職員もパネリストとして参加し、地元企業に生徒が目を向けてもらうための取り組みを紹介し、学校側からの協力要請に積極的に応じていく考えを示した。

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