憤る保護者「自分の子は被害者なのか」 裾野の保育園、説明せず

 裾野市の私立さくら保育園で保育士が1歳児に暴力や暴言を繰り返していた問題で、園が該当クラスの保護者に対し、どの園児がどのような被害に遭ったのか詳細を明らかにしていないことが1日、複数の保護者への取材で分かった。保育士の行為は8月に発覚したが、園は3カ月以上経過してから説明会を開くなど、一連の対応に保護者の間で不信感が強まっている。

さくら保育園
さくら保育園

 1歳児は約20人。市によると、6~8月に複数の園児が被害に遭っていたとみられ、特定の園児が日常的に狙われていた暴行や暴言もあった。
 ただ、1歳児を預ける20代女性は「自分の子供が被害に遭ったのか、(30日時点で)いまだに園から説明がない」と憤る。子供は顔にあざのようなものをつくって帰宅することがあったという。女性は「6月ごろから登園前に泣くようになった。真実を知りたいのに園は(誠実に)答えてくれない」と話した。
 園は11月29日から、子供の年齢別に保護者説明会を始めた。保護者は暴力や暴言に関わった保育士3人の出席を求めているが、29、30日とも3人は欠席した。出席者によると、「子供は守らないのに保育士は守るのか」「一連の行為を隠していたのでは」などと厳しい意見が相次いでいるという。

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