風流踊「地域の宝、町の誇り」 徳山(川根本町)有東木(静岡)がユネスコ無形文化遺産登録

 徳山の盆踊(川根本町)と有東木の盆踊(静岡市葵区)を含む24都府県41件の民俗芸能「風流踊(ふりゅうおどり)」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されたことを受け、両市町の関係者は30日、喜びの声を上げるとともに伝統芸能継承への決意を新たにした。

徳山の盆踊で「鹿ん舞」を披露する地元の小中学生=2021年8月、川根本町徳山の浅間神社
徳山の盆踊で「鹿ん舞」を披露する地元の小中学生=2021年8月、川根本町徳山の浅間神社

 徳山の盆踊は毎年8月15日に同町徳山の浅間神社で奉納される。農作物を荒らす獣を追い払い、豊作を祈願したのが始まりとされる「鹿ん舞」と女子小中学生が舞妓(まいこ)姿で踊る「ヒーヤイ」、成人男性の「狂言」を交互に披露する。同町徳山古典芸能保存会の奈良間六明会長は「大変喜ばしい。地域の宝を末永く守るためにも絆の輪を広げたい」と力を込めた。
 有東木の盆踊は葵区有東木地区に伝承される盆踊りで、毎年8月中旬に行われる。男踊り、女踊りに分かれ、飾り灯籠を頭上に掲げる特徴がある。有東木芸能保存会の西島友一会長は「少子高齢化による担い手の減少により保存継承には大きな困難を伴うが、今回の登録を励みに今後も継承していきたい」と気持ちを新たにした。
 吉報を受け、薗田靖邦川根本町長は「町の誇り。伝統文化を受け継ぐ上で登録決定は大きな後押しになる」、田辺信宏静岡市長は「未来に継承する取り組みを支援し、貴重な地域資源として活性化につなげたい」とそれぞれコメントした。

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