小児、若年のがん解説 がんセンター第4回講座 相談しやすい環境大切
がん医療を学ぶ県立静岡がんセンターの公開講座2022「知りたい!聞きたい!がん医療」(静岡新聞社・静岡放送主催、スルガ銀行特別協賛)の第4回講座が26日、オンラインで配信された。石田裕二副院長が小児とAYA世代(思春期から若年成人)のがん診療、片桐浩久整形外科部長が骨軟部肉腫と骨転移の最新治療をテーマにそれぞれ講演した。

石田副院長は小児がんは白血病、脳腫瘍、リンパ腫の順に多いとした上で、これらの種類のがんに罹患(りかん)する患者の割合は年齢が上がるにつれて減る傾向と指摘した。小児と成人のはざまにあたるAYA世代は進学や就職、結婚など人生の転機が重なる時期で、治療によって心に傷を抱える患者も少なくないという。石田副院長は「幅広く患者の心を聞き、相談しやすい環境をつくることが大切」と訴えた。
片桐部長は脂肪や神経、血管、筋肉などに発生した悪性腫瘍である軟部肉腫の治療内容を解説した。肉腫は希少がんの一つで、幅広い年代に発生し、種類や大きさもさまざま。診療できる医師も限られ、患者一人一人に沿った治療法が求められる。骨肉腫の手術で導入されている最新治療なども解説し、他の診療科などと連携しながら治療に取り組む現状を説明した。