富士フイルム、富士宮の厚生施設売却へ 老朽化、入居者減
富士フイルムが富士宮市大中里地域に有する敷地面積約12万平方メートルの厚生施設「フイルムパーク」を売却することが25日までに同社への取材で分かった。敷地内は社宅などのほかに、グラウンドや球場があり、地域住民に長年親しまれてきた。
富士フイルムホールディングス広報グループによると、フイルムパークは1964年から使用されてきた。施設の老朽化に加え、入居者数が減少していたことが売却理由という。契約は12月末、引き渡しは来年3月末を予定している。売却先について広報担当者は「契約上の守秘義務があるためこちらではお答えできない」とした。
グラウンドや球場は少年野球チームや住民らのサークル活動に貸し出すなど、地域ともつながりの深い施設。10月に地元関係者に対して売却の予定や借用期限を伝え、12月末までの設置物や用具の撤去を依頼した。
施設が立地する大中里区の小野田好美区長は「残念だが、企業としてやむを得ないこと。長い付き合いで施設を使わせてもらってきたことはありがたい。新たな所有者とも長く付き合いができれば」と語った。