テーマ : 新商品・新技術

脳画像、動いても高精度計測 浜松ホトニクス、頭部用PET開発

 浜松ホトニクスと浜松光医学財団(浜松市浜北区)は22日、頭を固定せずに検査ができる頭部用の陽電子放射断層撮影装置(PET)を開発し、国内で初めて薬事承認を受けたと発表した。静止状態を保つことが難しい患者の脳機能を高精度で計測でき、認知症や精神疾患の共同研究を加速させる。

薬事承認を受けた頭部用PET
薬事承認を受けた頭部用PET
脳の模型による画像イメージ。左右に動いた画像(上)と動きを補正した画像
脳の模型による画像イメージ。左右に動いた画像(上)と動きを補正した画像
薬事承認を受けた頭部用PET
脳の模型による画像イメージ。左右に動いた画像(上)と動きを補正した画像

 従来の装置は患者のストレスになりうる頭の固定が必要で、正確な結果が得られない可能性があった。新装置には、検査中の頭の動きを高精度カメラで計測し、脳の画像を補正する機能を搭載した。患者が動いても、ぶれのない画像が得られるようになった。
 約2年前に国に申請し、9月中旬に薬事承認された。年明け以降、同財団が運営する浜松PET診断センター(同区)の一般検査での活用に向けた準備を進めるほか、自閉症や多動性疾患の研究にも役立てる。
 アルツハイマーをはじめとした認知症治療薬の開発が活発になっていて、浜ホトは頭部用PETの需要が高まるとみている。PET用の光検出器で世界トップシェアの浜ホトは新装置の販売はせず、研究結果を医療機器メーカーなどに発信する考え。
 同社執行役員を兼ねる同財団の岡田裕之常務理事は「認知症に苦しむ人を減らせるように貢献し、新たな市場の開拓にもつなげたい」と話した。
 (浜松総局・白本俊樹)

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