現場から映像送信「ライブ通報119」 志太消防本部、12月から運用開始 救命救急向上へスマホを活用
志太消防本部は12月1日から、119番通報した人にけが人や病人の映像をスマートフォンで撮影、送信してもらう新システム「ライブ通報119」を運用する。ビデオ通話機能を通じて災害や事故現場の映像と音声を共有し、応急手当ての実施や救命救急の向上などに役立てる。
新システムは同本部の指令課員が通報者にショートメッセージでシステムのURLを送信。通報者がアクセスすると消防指令センターに接続されて映像や音声が送られるほか、現場に駆けつける救急隊員もスマートフォンで確認できる。
通報内容から、現場の状況を言葉で説明しにくい▽心臓マッサージの口頭での指導が必要▽現場の位置が分からない―といったケースに該当すれば、指令課員の判断で通報者に助言などを行う。
焼津市消防防災センター(同市石津)では11月9日、交通事故で車内から脱出できない現場を想定した訓練を実施。通報者がライブ通報を作動させると、持っていたスマートフォンでけが人の様子や事故現場をカメラで撮影した。消防指令センターでは大画面に映し出された現場映像を見ながら、指令課員が通報者に声をかけた。
同本部情報指令課の斉藤克己課長は「言葉では説明しにくい様子も、音声や映像を通じて正しく伝えることができる」と効果を指摘する。