テーマ : お茶・茶況

日本茶販売、産地越えて 牧之原・丸新柴本製茶がECサイト開設

 牧之原市の製茶業「丸新柴本製茶」が、全国の茶業者から出品を募る日本茶専門EC(電子商取引)サイト「CHANOBA(チャノバ)」を開設した。茶業者が産地などの垣根を越え、他社の販路拡大をサポートする取り組みは珍しい。隠れた逸品を掘り出して消費者に届ける仕組みをつくることで、茶業界全体の需要拡大を後押しする。

「茶業界全体の活性化につなげていきたい」と意気込む植田大さん=10月下旬、牧之原市の丸新柴本製茶
「茶業界全体の活性化につなげていきたい」と意気込む植田大さん=10月下旬、牧之原市の丸新柴本製茶

 サイトは国内茶産地別や煎茶、ほうじ茶など品目別に掲載し、消費者の嗜好(しこう)に合った条件から商品を紹介する。産地の特徴や生産者の顔写真、商品のアピールポイントなども紹介し、茶作りへの思いを伝え訴求力を高める。
 出品の固定費用は無料。販売実績額の一部を手数料として受け取る仕組みにし、多くの茶農家や製茶問屋からの出品を促す。
 運営する丸新柴本製茶の植田大さん(32)は大学卒業後、IT関連の仕事に就いていたが、茶業の道を志して家業承継を決意した。茶づくりを各地で学ぶ過程で、生産者ごとに異なる栽培ノウハウや製法、茶づくりにかける信念を学んだ。
 各産地ともに担い手不足やリーフ茶需要低迷といった課題は共通する。植田さんは「多様な日本茶の魅力を多くの人に再発見してもらいたい」との思いを強くし、各地の茶業者との連携に向けたECサイト構築に挑戦。前職時代の経験を生かして実現にこぎつけた。
 現在50事業者から約120品目が集まっており、順次追加していく。産地や品目ごとの解説機能を強化して、日本茶になじみが薄い消費者でも使いやすいプラットフォームづくりを進める。植田さんは「サイトを通じて事業者間のマッチングを図り新たな商品開発を促進するなど、業界全体の活性化にもつなげていきたい」と意気込む。

いい茶0

お茶・茶況の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞