男子、聖隷が2年ぶり優勝 女子、富士見が10連覇 バレーボール全日本高校選手権静岡県予選
第75回全日本バレーボール高校選手権(春高バレー)静岡県予選は13日、草薙このはなアリーナで男女の決勝を行った。男子は聖隷クリストファーが浜松湖北をストレートで破って2年ぶり14度目の優勝を決めた。女子は富士見が三島南との激戦を逆転で制し、10連覇を達成した。
男子の聖隷はU18(18歳以下)日本代表でエースの小野駿太にトスを集めて着実にリードを広げた。女子の富士見は三島南の粘りに苦戦し、第1セットを落としたがエース渡辺実羽香が要所で決めてその後の3セットを連取した。男女の各優勝校は来年1月4日に東京で開幕する春高バレーに出場する。
▽男子決勝
聖隷クリストファー 3(25―17 25―11 25―18)0 浜松湖北
▽女子決勝
富士見 3(23―25 25―23 25―23 25―22)1 三島南
■聖隷 エース小野が本領発揮
聖隷クリストファーのエース小野がU18(18歳以下)日本代表としての本領を発揮した。「(入学後)初めての観客の入った試合でみんな緊張していた」と明かしたが、小野の強打で着実にサイドアウトをものにし、試合を優位に進めた。
田川監督は「セッター錦織がうまく組み立ててくれて小野もそれに応えてくれた」と評価した。小野は24得点のうちバックアタックで9点。「人の間に打つ練習をしてきた」と高い打点から正確なコースに強打を打ち抜いた。ただサーブレシーブに不満を残しただけに「50点のでき」と自己評価は辛めだった。
もう一人の立役者が195センチのミドルブロッカー夏目だ。中学3年間はパソコン部。入学説明会で田川監督から声を掛けられて入部した。バレー歴1年半ながら「相手の助走の角度と顔の向きでコースを読んだ」とブロック7本を決めた。
今夏の全国総体は8強入り。小野は「組み合わせが良かったからと言う人もいて悔しかった。春高で静岡の強さを証明したい」と力強く誓った。
■富士見 粘り強く逆転
富士見が苦しみながらも、先輩から引き継いだ連覇のたすきをつないだ。第1セットを失い第2、3セットも三島南に怒濤(どとう)の追い上げを受けた。普段なら崩れる場面だったが、甲斐監督は「いい表情で、粘り強く辛抱して勝ち切れた」とたたえた。
先発に3年は2人だけ。「10年間で一番弱い」と言われてきた。8月末には主将でセッターだった小池が病気で離脱。急きょ2年の野口を司令塔に据えるなど大幅なコンバートがあった。アタッカーで復帰した小池は「本番までに仕上がるのか不安しかなかった」。
苦境に奮起したのが181センチの2年生エース渡辺だ。「困った時は自分にトスを持ってきて」と野口に声を掛け、苦しい場面で腕を振り抜いた。「相手のブロックが厳しくなる中で確実に打ちきること。そういう練習をしてきた」。アタックで21得点、サーブで5得点したエースは自信に満ちた表情を見せた。