腐敗したミカン 微生物が分解 JAみっかびが新設備導入 焼却、運搬不要で環境負荷減

 浜松市北区三ケ日町のJAみっかびは本年度、腐敗した三ケ日みかんを微生物の力で分解し、分解水として排水する設備「有機物残渣(ざんさ)処理システム」を導入した。廃棄ミカンの運搬や焼却を伴わないため、二酸化炭素(CO2)排出などの環境負荷を抑えることができる。

JAみっかびが導入した有機物残渣処理システム=11日午前、浜松市北区三ケ日町
JAみっかびが導入した有機物残渣処理システム=11日午前、浜松市北区三ケ日町

 新たな設備では、選果場で取り除いた腐敗ミカンを投入して破砕し、かき混ぜながら微生物がミカンを分解。生じた分解水を浄化装置に通し、排出基準を満たして排水する。一日に最大1トンを処理できるという。
 同JAの選果場では、1年間に約50トンの廃棄ミカンが生じる。これまでは産廃処理業者に依頼して焼却処分していた。設備の導入で、CO2排出量が大幅に削減され、腐敗したミカンをすぐに処理できるため衛生面の向上も期待される。
 同JAの担当者は「SDGs(持続可能な開発目標)の『つくる責任つかう責任』を果たすため、選果場運営で生じる廃棄をゼロにしたい」と話した。
 

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