御前埼灯台、夜間特別公開 市内外から見物客、夜景も楽しむ
清水海上保安部はこのほど、御前崎市で行われた「灯台ワールドサミット」に合わせて御前埼灯台(同市)を夜間に特別公開した。市内外から多くの見物客が詰めかけ、闇夜を照らす堂々の働きぶりを見守った。
光度56万カンデラのともしびは直径1・57メートルのレンズを通して10秒に1回、約36キロ先の沖合まで届けられる。訪れた家族連れやカップルは、灯台内部の階段を上って地上約20メートルの展望デッキへ。真っ暗な海に浮かぶ船舶の明かりを見つけたり、陸側の夜景を眺めたりと、普段は見ることのできない光景を楽しんだ。
見物客は薄暮の時間帯から長蛇の列を成し、地元の市民グループ「御前埼灯台を守る会」の斎藤正敏会長(74)は「“夜の灯台”を体験してみたい気持ちがあったのだろう」と目を丸くした。10月中旬から国内を自動車で旅しているという池堂健太郎さん(66)=鹿児島県指宿市=は「各地で岬に立つ灯台を見てきたが、中を見ることができたのはここだけ。景色もきれいで感激です」と満足げに話した。
御前埼灯台は全国に16基ある「参観灯台」の一つで、通常は日中に公開している。