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感染対策リーダー育成 静岡県、第8波やインフル備え

 静岡県と静岡県病院協会は9日、社会福祉施設で感染症対策を主導するリーダーの育成研修を始めた。新型コロナウイルスの感染第8波とインフルエンザの同時流行が懸念される中、感染対策の高度な知識を備えた感染管理認定看護師が感染予防のポイントを助言する。重症化リスクが高い高齢者らが多い施設の特性を踏まえ、感染対策の向上につなげる。

リーダー育成研修で防護具の着脱方法を学ぶ参加者=9日午前、焼津市の大富陽光園
リーダー育成研修で防護具の着脱方法を学ぶ参加者=9日午前、焼津市の大富陽光園

 初日は焼津市の特別養護老人ホーム「大富陽光園」で開催し、県中部の施設から計16人が参加した。いずれも藤枝市立総合病院の感染管理認定看護師、戸塚美愛子さんと小林亜紀子さんが講師を務め、手指衛生や職員の健康チェックなど基本的な対策を助言した。「感染対策の原則は『もらわない』と『うつさない』こと。適切な感染対策と健康管理が自分や利用者を守ることにつながる」と呼びかけた。
 参加者はマスクや手袋、防護具の着脱方法を実践。施設内を巡回し、チェックリストを見ながら居室やトイレ、スタッフルームなどの感染対策のポイントを確認した。
 研修は今月28日にかけて県内計4カ所で実施し、約100人の参加を見込む。受講後は各施設のリーダーとして感染予防や発生時の対応に当たってもらうことを期待している。県福祉指導課の担当者は「研修で気づいた内容を施設の感染対策に取り入れ、他の職員にも伝えてほしい」と話す。
 コロナの感染第7波では社会福祉施設でクラスター(感染者集団)の発生が相次ぎ、職員の自宅待機による人手不足が課題となった。リーダーが中心となって施設の感染対策を徹底することで事業継続を後押しする狙いもある。

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