⚽清水・磐田 長期的ビジョンが欠如 元五輪日本代表・松原良香氏

 J1清水エスパルスとジュビロ磐田のJ2降格が決まり、静岡から来季J1クラブがなくなる事態について、両チームでプレーしたアトランタ五輪日本代表の松原良香氏(48)=写真、浜松市出身=に低迷の原因や復権へのポイントを聞いた。

 両チームに共通するのは長期的ビジョンがないこと。編成が悪く若い選手が育たない。清水と磐田が強かった頃は育成とトップがリンクしていた。当時は地元の高校から輩出された県選抜が清水、磐田の主力になった。そこにドゥンガやスキラッチら有名な外国人を連れてきて、プロとしてのあり方を見ながら育った。育成強化の主流がクラブになり、その“根っこ”が取れてしまった。目の前の勝負にとらわれすぎ、育成の田植えの部分ができなかった。
 世界のサッカーはずっと進んでいるが、清水と磐田は、その場しのぎで学ばなかった。育成の指導者が世界を見ることが大切だ。誰が教えるかも重要で、Jリーグの監督経験者が教えてもいい。
 今年の磐田は思いきって若手を使えず、ベテランに偏った。降格は起こるべくして起こった。清水は躍動感あるサッカーをした時期もあったが、直近は緊張が先に出て足が前に進まなかった。
 海外はサッカー文化があり週末の娯楽の一部になっている。(県民が)清水と磐田に、もっと自分のチームという認識を持ってもらえるとうれしい。そのためには人気があり、憧れのクラブにならないといけない。

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ