コロナとインフル 同時流行1日最大2.5万人 静岡県が試算提示

 静岡県は2日夜の新型コロナウイルス対策専門家会議で、新型コロナとインフルエンザが同時流行した場合、発熱などの患者は県内で1日当たり最大2万5千人に上るとの試算を明らかにした。県はこの規模の感染者数に医療現場が対応するのは困難とみて、両感染症のワクチン接種を強く推奨する方針を示した。

静岡県庁
静岡県庁

 試算は両感染症の患者が全国で1日75万人発生するとした国の想定を基に算出した。県内の内訳は新型コロナ1万2600人、インフルエンザ1万2400人。医療機関には自主検査を行う一部の患者を除き、ほとんどが受診すると見込んだ。
 対策として適切な受診を県民に訴えるとともに、日曜や夜間、年末年始の外来対応施設を増やす。軽症の人に検査キットを配布し、受診者の殺到も防ぐ。
 県健康福祉部の後藤幹生参事は「想定通りの感染者数となればとても対応しきれない。備えが大切だ」と話した。
 国は10月、同時流行時はオンライン診療を活用する対処方針を公表した。一方で、県内でオンライン診療を導入している医療機関は少ない上、重大疾患の見逃しを懸念する声があり、県はあくまで対面診療を前提とする医療提供体制の構築に向け検討していた。

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