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静岡人インタビュー「この人」 「伊豆の踊子」の伝承に努める 小野英樹さん(河津町)

 今春、没後50年を迎えた川端康成の「伊豆の踊子」の舞台にもなった河津町の職員。映画版「踊子」のフィルムを修復させ、ゆかりの地を広く知ってもらおうと奮闘中。裾野市出身。55歳。

小野英樹さん
小野英樹さん

 -フィルム修復の経緯は。
 「『踊子』の映画は全6作あり、そのうち4作分の16ミリフィルムを、主人公一行が滞在した湯ケ野地区の観光協議会と町が1989年に購入した。協議会が管理し『伊豆の踊子文学祭』でも上映していたが、解散したため映写機とともに町が引き継ぎ、修復会社に頼んできれいな映像で見られるようにした」
 -修復の意義は。
 「持っているだけでは宝の持ち腐れ。今後は上映会開催などを通じ、川端康成の功績を語り継ぐ一助にしたい。まずは若い世代に、ノーベル賞作家にとって特別な場所だったのだと認識してもらうのが重要だ」
 -映像をどう役立てるか。
「町内の子供は読書感想文コンクールなどを通じ、文学で『踊子』に親しむケースが多く、映画は知られていない。映像を通じてさらに想像を膨らませることもできるだろう。河津との関係を誇りに感じてもらい、郷土愛の醸成につなげたい」
 -抱負を。
 「映画は町内も撮影地になっている。さらに、投影技術が失われつつあるため、上映されるケースは全国的にも珍しいようだ。『踊子』は世界的作品で、“聖地巡礼”と上映会の組み合わせは旅行者の目的地になり得る。修復フィルムのなかには無声作品もある。弁士を呼んで上映イベントができないかと考えていて、ぜひ開催したい。『踊子』のほかにも、町内にはまだまだ掘り起こせる歴史がある。どんどん光を当てていきたい」
 (下田支局・伊藤龍太)

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