⚽J3藤枝 昇格へ10戦負けなし 輝き放つ攻撃的GK内山
超攻撃的GK、J3藤枝の内山圭(29)がここ10戦負けなしのチームで輝きを放っている。30日のアウェー鳥取戦を含め、残り4試合で現在2位。守護神は「自分の手で昇格をつかみたい」と誓う。

内山の持ち味は足元の技術で、GKとして1試合のパス成功本数はJ3平均の2~3倍。須藤監督が「プラス1」と表現するように、攻撃の組み立てでDFラインに加わり、前方に正確なフィードを送る。
「自然にやっているだけ」と本人に気負いはないが、前線からのプレスを呼び込んで外すことで相手の守備の形を崩し、攻撃の最初のスイッチを入れる。指揮官は「一発で局面を変えるキックがある」と厚い信頼を寄せる。
9月は過密日程で6試合をこなし、失点はわずかに1。セーブ率95%を記録し、GKとしては珍しいJ3月間MVPを獲得した。特に相模原戦と沼津戦は続けて前半に退場者を出し10人で戦ったが、しぶとく1勝1分け。「DF陣が体を張ってくれたおかげ。攻撃的なチームだが、守備の連携と質も高まっている」と自信を深めた。
昨季は所属していた熊本で最終節に優勝とJ2昇格を決め、今季も新天地で正念場を迎える。「最後まで気を抜いては駄目。一つのゴールやセーブ、1本のパスが大事になる」と貴重な経験をチームに還元する。
「昇格は最低ライン。最後までリーグ制覇の可能性を追い続ける」。クラブの悲願達成へ、キックに磨きをかけるとともにゴールマウスを守り切る決意を示した。
(運動部・寺田拓馬)