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複業人材、三島へ呼び込め 地元企業とマッチング/経営者お試し移住 長泉の会社、首都圏に本格攻勢

 長泉町の合同会社うさぎ企画(森田創代表)が静岡県東部の企業や金融機関と連携し、東京通勤圏内の三島市で首都圏からの複業・移住促進の取り組みを本格化させている。複業を検討する都心の事業者と地元中小企業をつなぐほか、まずは短期滞在してもらう「お試し移住」も県の受託事業として開始した。いずれの活動も経営支援や地域活性化を目指す。

スタートアップ経営者が三島に移住するメリットを議論する森田創代表(左)や讃井寛海代表(中央)ら=9月、三島市内
スタートアップ経営者が三島に移住するメリットを議論する森田創代表(左)や讃井寛海代表(中央)ら=9月、三島市内


 同社は経営課題の解決を目指す経済産業省関東経済産業局の事業「地域の人事部」に参画した三島信用金庫のアドバイザーとして関わる。地域の人事部では複業人材(副業・兼業)のほか、若者やシニア、女性、外国人ら多様な人材を地元企業につなぎ、伴走支援する。
 事業を実施する全国6地域のうち、三島は唯一の東京通勤圏内。森田代表は「複業人材が多く居住し、首都圏との事実上のつながりが強い。中小企業の優秀な人材が外部人材と接すれば、成長の起爆剤にもなり得る」とメリットを挙げる。
 複業人材を導入した長泉町の食品卸売・人材サービス業の東平商会(同町)の山本雅弘社長は、メリットを「費用対効果と即戦力が魅力。時間単位で契約するので、高度な人材に集中的に課題を整理してもらえる」と挙げた。
 地元2社と進めるお試し移住は、都内のスタートアップ経営者を招いて商機を提供。週末はワーケーションを通じて三島市周辺の誘致要件を整理する。第1弾として、ソフトウエア開発会社「LANDMARK」(東京都中央区)の讃井寛海[さぬいひろみ]代表が移住した。うさぎ企画と連携し、自社開発したビジネスマッチングアプリの実証実験を焼津市で行う。
 三島市内で開いたトークイベントに登壇した讃井代表は「三島は多種多様なプレーヤーとコミュニティー、意見交換の場が多く、実証実験の場としてちょうど良さそう。この取り組みが一つのモデルになれば」と話した。

 ■働き方や人口動態に変化
 関東経済産業局事業「地域の人事部」の関連セミナーに登壇したみずほリサーチ&テクノロジーズの主任コンサルタント森安亮介さんの話 全国の企業で多様な人材活用が進んでいるのは、働き方や人口動態、経営戦略の変化が要因。金銭的な報酬よりも、都市や大企業で得られない体験や社会貢献などの心理報酬、理念や経営者に魅力を感じて複業を考える人が増えている。テクノロジーの急激な発達で業界のゲームチェンジが加速し、外部人材活用の需要も高まっている。

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