安全管理マニュアルの策定促す 園送迎バス運行で静岡県方針
静岡県は27日、牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」で園児が送迎バス内に置き去りにされ死亡した事件を受けて、送迎バスを運行する県内250の保育施設に対して安全管理マニュアルの策定や改定を求める方針を同日の有識者会議で示した。来年1月をめどに策定状況を調査し、2023年度以降は定期監査で確認する見通し。
保育施設がマニュアルを作る際に参考となる安全管理指針案をとりまとめ、有識者会議で了承された。指針は28日に公表し、県内全ての保育施設に通知する。
指針の活用に向けてポイントを説明する動画を配信するほか、保育施設からのマニュアル策定に関する相談にも対応する。県健康福祉部の瀬崎浩二理事(少子化対策担当)は「指針を作って終わりではなく、保育施設への浸透を図ることを第一に考える」と強調した。
指針は、バスの運行に携わる園長や運転手の役割を明確化したほか、登園時の人数確認徹底、ダブルチェック体制の整備、事故につながりかねない「ヒヤリ・ハット事例」の収集と共有などを明記した。監修した常葉大教育学部の木宮敬信教授は「現場の負担が増えないよう、実践可能で効果があるという点に留意して作成した」と述べた。
有識者会議では、委員から「マニュアル作成が目的ではない。現場で運用されることが重要」「ヒューマンエラーは起こる。新しいシステムなどを活用して事故を防ぐことも必要」などの意見が出た。