テーマ : 牧之原市

複数職員で登園確認 静岡県が安全指針案 送迎バス置き去り死受け

 静岡県は27日、牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」で園児が送迎バス内に置き去りにされ死亡した事件を受けて、独自に策定したバス送迎に関する安全管理指針案を有識者会議に示した。再発防止に向け、園長や運転手など車両運行に携わる関係者の役割を明確化したほか、乗降確認や登園管理の手順、車体のラッピングに対する考え方を盛り込んだ。
 置き去りを防ぐ安全装置については、国による義務化の動きを踏まえ「人の注意力を補完するための装備は有効」と明記した。バスのラッピングに関しては窓全体を覆わないことや透過性を持たせることなどを挙げ、外から車内が確認できるよう配慮を求めた。
 登園時や園外活動の前後で子どもの人数を確認する際、複数の職員によるダブルチェック体制を整える必要性を指摘。事故につながりかねない「ヒヤリ・ハット事例」の収集と共有、送迎に関するマニュアルの作成と改定も盛り込んだ。
 指針案は同日開かれた「県社会福祉審議会児童福祉専門分科会子ども・子育て支援部会」で議論し、28日に公表する。
 事件を受け、県と市は川崎幼稚園に対する特別監査を実施。今月14日、園を運営する学校法人榛原学園に改善勧告を出し、再発防止に向けた組織体制の構築や保護者への連絡体制整備などを求めた。現在、県内で送迎バスを運行する認定こども園や保育所などへの立ち入り指導も実施している。
 (政治部・森田憲吾)

 ■安全管理指針案ポイント

送迎車両運行に携わる者の管理と役割 安全管理の統括者としての園長の役割、運転手、同乗職員、臨時職員、保護者らが行うべき役割
事故防止のための重要確認事項 ダブルチェック体制の必要性と整備、子どもの乗降確認、施設到着時の引き渡し、降車後の車内確認の方法
登園管理 子どもの登園後の施設と各クラスの出欠確認の手順、人数確認の徹底
送迎車両の安全対策 安全装置や子どもに対する支援策、送迎車両の仕様、バスラッピングの考え方
「ヒヤリ・ハット事例」の収集、共有 事例の収集方法、共有の仕方
送迎マニュアルの策定と活用 作成したマニュアルの見直しのタイミング、研修や訓練の実施による活用

牧之原市の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞