野生鳥獣肉加工施設 ジビエ工房ジミート(浜松市天竜区) 地域活性化を期し再開【しずおかMIRUI企業】

 新型コロナウイルス禍や豚熱(CSF)の影響で廃業した、野生鳥獣肉(ジビエ)加工施設「ジビエ工房ジミート」(浜松市天竜区春野町)が11月再開する。新たに代表に就いた高林麻里さん(42)は「地域の雇用創出や町おこしにつなげたい」と話す。

ジミートの外観。地域のジビエ肉を加工する=浜松市天竜区
ジミートの外観。地域のジビエ肉を加工する=浜松市天竜区
高林麻里さん
高林麻里さん
ジミートの外観。地域のジビエ肉を加工する=浜松市天竜区
高林麻里さん

 春野町は茶やシイタケ栽培などに加え、ジビエ産業も盛ん。地元猟友会が野生のイノシシやシカを捕獲する。ジミートは、食肉やペットフード用商材の加工拠点として機能してきた。
 2019年以降、家畜伝染病の豚熱が広がり、イノシシが減少した。そこに追い打ちをかけたのが新型コロナウイルス禍。出荷先の料理店や旅館が営業自粛や時短営業を強いられ、需要が減退。ジミートは担い手の高齢化もあり、閉鎖を余儀なくされた。
 高林さんは竹を粉末製品に加工する会社に勤める。業務で森に入ったり、地域食材を使うレストランをめぐる団体で活動したりする中でジミートの苦境を知った。地域住民やジビエ肉を求める料理店などからの再開を望む声を受けて立ち上がり、地元猟師らと話し合いを重ねて再建プランを練り上げた。
 豚熱感染が落ち着きイノシシの個体数は回復傾向にあり、地域ではシカも増えている。11月の狩猟解禁に合わせ、加工・販売の両面で準備を進める。
 クラウドファンディングで調達する200万円は施設の改修などに使う。高林さんは「若い世代に里山の魅力を発信していきたい」と語る。

 クラウドファンディング
 目標額 200万円
 返礼品 シカ肉ソーセージやジャーキーなど

 ◇事業所概要 創業2022年、従業員3人

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