災害ごみ片付け長期化の見込み 静岡市、仮置き場解消「年度内にできれば」 台風15号1カ月

 台風15号から23日で1カ月を迎えたが、住宅など約3800棟に床上浸水の被害があった静岡市では、2万トンと推計される災害ごみの処理が長期化しそうだ。住宅地の公園など約60カ所に設けられた臨時集積所は13日までに全て解消されたものの、運び手がいない高齢者宅などにはまだごみの片付けが終わっていない家庭もある。清水区の2カ所に設けられた大規模仮置き場には今も連日、ごみが運び込まれていて、市は「年度内に解消できれば」と苦慮している。

台風15号から1カ月たった今も市民が災害ごみを運び込む清水第2仮置き場=20日、静岡市清水区大内新田
台風15号から1カ月たった今も市民が災害ごみを運び込む清水第2仮置き場=20日、静岡市清水区大内新田

 市は14~18日、名古屋、横浜、富士、沼津など県内外12市区からの応援を得て、被災者宅から災害ごみを戸別回収する「ローラー作戦」を実施。発災直後に公園や歩道上に積み上げられたごみも撤去を終え、「市街地からのごみ回収はピークを過ぎた」と静岡市ごみ減量推進課の三木秀明課長は説明する。
 一方、JR清水駅東口のENEOS(エネオス)清水油槽所遊休地と清水区大内新田の市有地に、それぞれ1万4千~1万5千平方メートルを確保した大規模仮置き場では、市民のごみの受け入れを続けている。「『まだごみが手つかずの世帯が1割ほどある』といった地域の声も聞く。受け入れ先は必要」と三木課長は話す。
 自分で運搬が難しい市民は電話などで市収集業務課に連絡すれば、市が戸別回収に出向く。それを知らずに対応に困っている市民もいるとみられ、さらに周知を図る方針だ。
 災害ごみは冷蔵庫、洗濯機などの家電製品や布団、畳、木製家具類、不燃物などで、分別した上で焼却施設やリサイクル業者に運搬し、処理している。市によると、19日現在で処理済みのごみは1917トンで、推計2万トンの全体量の一部にとどまっている。

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