シャンソン化粧品「フェムテック」活用 SDGs対応を強化

 シャンソン化粧品は、SDGs(持続可能な開発目標)対応を強化している。女性の健康課題をテクノロジーで解決する「フェムテック」の手法で、製品化に向けた研究開発を進める。海洋環境保全に寄与する製品も市場投入するなど、本業の化粧品開発で培った技術を生かし、特に健康・環境分野で課題解決策の提案につなげる。

SDGsやフェムテック分野の推進戦略を協議する石川和子部長(右)=静岡市駿河区のシャンソン化粧品
SDGsやフェムテック分野の推進戦略を協議する石川和子部長(右)=静岡市駿河区のシャンソン化粧品

 女性の生活の質向上にはストレス緩和が重要と考え、ホルモンバランスに着目。来年1月発売予定の肌の保湿オイルは、女性ホルモンの乱れを整えるといわれる月見草油やルリジサ種子油などの植物由来成分を配合したり、ゼラニウムなどリラックスできる花の香りも調合したりして工夫を重ねる。
 今年2月には同様の観点で、馬の胎盤のプラセンタを素材にしたサプリメント製品も発売した。今後は体の冷えなどの健康課題に対応する製品開発に加え、若者から高齢者までさまざまなライフステージに合わせ、体調やメンタルのケアにつながる情報発信活動も検討する。
 環境分野では、サンゴ礁への有害性が指摘される紫外線吸収剤を使用しない日焼け止め製品を開発し、昨年5月にハワイ州など米国で発売した。米国では日焼け止めが医薬品に該当するため、製品の安全性などで同国政府機関の認証を受けた。
 来年1月に静岡市で開かれるファッションイベントの東京ガールズコレクション(TGC)にもプラチナパートナーとして参画し、特に若い世代へのSDGsやフェムテックの訴求を目指す。担当の石川和子総合教育部長は「性別、年齢問わず、健康や環境への理解を社会に広めたい。特に生理など女性の健康課題をもっとオープンに考えられるようにすることで、女性が生き生きと活動し、より輝ける社会になるよう貢献したい」と話す。

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