ファイヤートング 寺脇精工(湖西市) 消費者目線で使用感探求【ものづくり最前線】

 自動車部品の加工を長年手がけてきた湖西市の町工場が火ばさみ「ファイヤートング」を開発した。消費者目線で使いやすさを探求し、随所にこだわりをちりばめた。

随所にこだわりをちりばめた火ばさみ「ファイヤートング」
随所にこだわりをちりばめた火ばさみ「ファイヤートング」

 同社初のBtoC製品。寺脇精二社長(72)は新商品開発に、趣味のアウトドアの経験を生かした。市販のU字形のトングは重さに弱く、まきなど大きめの物をつかむと変形してしまう。一方、ファイヤートングはX字形の鉄製で、ギザギザした先端部分で細かい物を「つまみ」、中央の平たい部分で大きい物を「つかむ」ことができる仕様だ。
 長さ47センチ、重さ360グラム。ばねを採用したことで軽い握りでも開閉を可能にした。グリップ部分は木材を火であぶった後、手になじむようにオイルを塗り込む。
 受注生産で、8800円(税、送料別)。前後5センチの長さ調整や右利き用、左利き用のオーダーも可能。湖西市のふるさと納税の返礼品にも採用された。
 4月から完成品をクラウドファンディングサイトで売り出すと、初日だけで30個ほどを販売した。全国の幅広い世代から注文が入ったという。新型コロナウイルス禍の影響もあり、「近年のキャンプ熱の高まりを感じた」と寺脇社長。アウトドア需要の取り込みに力を入れる。

 企業情報 湖西市大知波730の77。1989年創業。従業員3人。

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