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静岡人インタビュー「この人」 熱海市の「起雲閣」を題材にした小説を出版した 中尾千恵子さん(熱海市)

 海外向けの企業資料の編集や翻訳、貿易業務代行などのビジネスを手がけながら、小説の執筆活動を続けている。仕事で関係の深いロシアや伊豆を舞台にした作品を発表し、2017年に「熱海残照」で第20回伊豆文学賞最優秀賞を受賞した。浜松市天竜区出身。76歳。

中尾千恵子さん
中尾千恵子さん

 -執筆活動のきっかけは。
 「市場調査や翻訳など仕事で培った知識や経験を生かし、クリエーティブなことをやってみたくて60歳あたりから始めた。膨大な資料を読み込んだり、人に会って話を聞いたりして取材することに楽しさを感じる。今後、故郷の北遠地域を舞台にした作品を書いてみたい」
 -起雲閣を題材にした小説を執筆する上で苦労したことは。
 「史実に基づいた作品にしたくて、別荘や高級旅館だった起雲閣の所有者の生きざまを調べることを徹底した。資料集めや所有者の子孫への取材に約3年を要した。今まで埋もれていた熱海の近現代史に触れられて、とても新鮮だった」
 -熱海の歴史文化の魅力は。
 「日本の近現代を支えた政財界人が過ごしたまち。五・一五事件や二・二六事件などの歴史的大事件にも関わりがあり、『歴史の奥舞台』といえる。観光地として、温泉やスイーツだけでなく、こうした歴史をうまく活用することで熱海の魅力がさらに分厚くなると思う」
 -仕事でつながりが深いロシアへの思いは。
 「1993年に初めてロシアを訪れた時、国民は希望にあふれビジネスにも将来性を感じた。ロシア人もウクライナ人も仲良く仕事をしていたのに、なぜ今のような状況になってしまったのか。ロシアへの世論感情はこの先何十年も修復できないだろう。その責任は重い」

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