名字の由来を追跡 榛原(はいばら)さんは静岡県内にいますか? 違う読み方の人なら・・・【NEXT特捜隊 途中報告】

 京都市内に住む榛原久仁子さんから「静岡県内に榛原(はいばら)さんという名字の方はいますか?」という疑問が寄せられた。確かに榛原という地名は県内にあるが、名字は聞いたことがないなと思いながら榛原さんに連絡を取ってみた。

榛原(しんぱら)家の位牌=9月上旬、袋井市上山梨の用福寺
榛原(しんぱら)家の位牌=9月上旬、袋井市上山梨の用福寺
榛原姓の由来などが記された資料
榛原姓の由来などが記された資料
榛原(しんぱら)家の位牌=9月上旬、袋井市上山梨の用福寺
榛原姓の由来などが記された資料

 榛原さんは夫の実家が甲府市内にある。江戸時代末期、駿河から移住してきた医者の榛原氏に子がなく、養子をとって名字と屋敷を継がせたのが甲府榛原家の始まりだと聞いているとのこと。榛原の名字を継がせた医者はその後、駿河に戻っていったという。
 

地名が由来?

 まずは榛原姓の由来について文献を調べることにした。全国の姓氏の起源や分布などを解説した「姓氏家系大辞典」(太田亮著、角川書店)によると、「榛原公 応神帝(応神天皇、古墳時代)の御裔[みすえ]にして、遠江国蓁原(榛原)郡蓁原郷より起る」などと記されている。
 また、「榛原町の地名」(榛原町教育委員会)によると、「『榛原』の地名はこの地方に最初に住民によって付けられた俗称地名であったが、加米古王(応神天皇の皇子である大山守皇子の子孫)が正式にこの地名を姓の上につけることが許可されると、俗称地名『榛原』は公式地名となり、榛原君はこの地域の行政官となった」とある。
 二つの資料から榛原姓は地名が由来になった可能性を読み解くことができたが、近現代に至る系図は確認できなかった。ちなみに「榛原」の「榛」は植物のハンノキやハシバミを意味するとされる。
 実際に榛原さんは現在、県内にいるのだろうか。榛原町の歴史などに詳しい牧之原市史料館の担当者に尋ねると「少なくとも牧之原市で榛原姓は聞いたことがない」とのこと。榛原郡でもある近隣の吉田町町民課にも問い合わせたが、個人情報の観点から、榛原姓が町内にいるかどうかは回答できないとのことだった。調査を続けていたところ、袋井市上山梨の用福寺の住職が榛原さんではないかとの情報を入手した。

 

ルーツは不明

 早速、用福寺に電話してみると、「しんぱらです」と女性の声が返ってきた。実際に訪ねると住職榛原俊孝さんの妻である佳代子さん(66)が応対してくれた。
 「よく『はいばら』に間違われますが、読み方は『しんぱら』です」とのこと。由来について「現住職の祖父が生前、尊敬する僧侶が『原』の付く名字だったのでそこから一字もらったと話しているのを聞いたことがあります。元々の名字は『榛葉[しんば]』だったような…。口伝えなので不確かな点もあり、正確な由来やルーツは分かりません」という。
 寺院に関する過去の資料は戦火で消失している。ただ、榛原家の位牌[いはい]には現住職の祖父盛光氏(1985年没)だけでなく、曽祖父にあたる禅学氏(25年没)の名も刻まれている。少なくともその時代から榛原姓を名乗っていたとみられる。
 京都の榛原さんが榛原姓について調べていることを伝えると、「ルーツや由来が正確に分からなくて恐縮ですが、よく読み方を間違えられる『はいばら』さんが実在するのですね」と佳代子さん。「しんぱら」さんが袋井市内にいたことを京都の榛原さんに伝えると、「漢字は同じでも違う読み方があることに驚きました。榛原姓にまつわる江戸時代末期の資料がどこかにあれば、きっとルーツに近づけるはず」と話した。

 
榛原さんいませんか?

 榛原姓にまつわる情報を募集しています。親戚や友人、これまで出会った方に「榛原さん」がいらっしゃいましたらぜひ教えてください。もちろん「榛原さん」ご本人からのご連絡も大歓迎です。由来などもご存じでしたら併せてお知らせください。情報はLINEやNEXT特捜隊公式サイトからお寄せください。



 

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