大自在(10月6日)ウクライナから来た少女
ロシアの軍事侵攻を受けて日本に避難しているウクライナ人の女子学生(17)による書籍「ウクライナから来た少女 ズラータ、16歳の日記」(世界文化社)が話題を呼んでいる。東部ドニプロ出身のズラータ・イヴァシコワさんが侵攻後の日々を日本語でつづり、表紙の絵や挿絵も手掛けている。
「明日から戦争になります」と学校で突然告げられた戸惑い、ポーランド経由で日本にたどり着くまでの苦労、日本で夢を追い掛ける前向きな思いが記されている。ほぼ独学とは思えない日本語の文章力に驚く。日本の生活にも十分に適応していけるだろう。
当然ながら避難民の全てが日本語を話せるわけではない。語学力が就業の壁になっているのが現状だ。そうした中、避難民に働く場を提供するためのウクライナ料理店が東京・西新橋にオープンした。
店名はウクライナ語で「おいしく召し上がれ」を意味する「スマチノーゴ」。エプロン姿のウクライナ人スタッフが、和食アレンジしたボルシチやキーウ風カツレツをテーブルに運んでくれる。
現在は20~60代のスタッフ8人が働くが、希望する全員を採用することはできない。各テーブルにはメニュー表と共に仕事を探す避難民のプロフィルを置いている。
「お客さんも温かく応援してくれ、言葉が通じなくてもスタッフが誇りを持って働けている」とオーナーの女優TAKANEさん。戦闘が終結し、ウクライナに平和が戻るまで店を続けるという。店の味、居心地の良さは魅力だが、一日でも早く閉店の日を迎えられることを願う。