記者コラム「清流」 体を張った作業員

 台風15号の影響で静岡市清水区の興津川の取水口に大量の流木が詰まった当初、現場を訪れると作業員が汗だくになって流木を取り除いていた。濁流の水しぶきがほおにかかる。激しい流れが近くの人の声もかき消す。足場も悪い。そんな環境だった。
 「1週間以内の復旧」を表明した田辺信宏市長の発言を報じた本紙を手に、恐る恐る作業員に見通しを聞くと「報道されているようには簡単にいかない」とぴしゃり。しかし早期復旧を望む市民の声はしっかり届いていただろう。数日で大半を除去し自衛隊にバトンタッチした。
 市委託の仕事と言ってしまえばそれまでだが、自らも断水の影響を受けながら、水を待ち望む市民のために体を張っていた彼らのことは記憶にとどめたい。

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