静岡人インタビュー「この人」 伊東商高で新商品の開発に取り組んだ 伊藤優希さん
2017年に創部し、商品開発とボランティア活動を行う伊東商高フロンティア部の部長。同部では今年、地元事業者の協力で二つの菓子を開発した。来春、伊東商を含む伊東市内3校が統合されて新高校に。後輩たちに「自分たちと同じような活動を続けていってほしい」と思いを託す。同校3年。18歳。
―開発した商品は。
「一つは製菓業者と作った『伊匠魂(いしょうだましい)』。新高校に向け『つなぐ』をテーマにし、4種類のあんを付けた和風クッキーを開発した。もう一つは地域名産のダイダイを使ったジェラート『G―dai(じだい)』。ジェラート工房と開発した。甘さも果実本来の苦みも感じる、夏においしく食べてもらえる商品になった」
―取り組みで得たものは。
「先輩が授業で開発したニューサマーオレンジのラングドシャがコロナ禍で発売できなかった。部活で継いで売り出した経験から『一から携わりたい』と思い、今年の新商品開発につながった。パッケージの文章をどう書くかなど、自分たちが考えていることをうまく人に伝えるために試行錯誤した。その経験から人に伝える技術は身に付いたと思う。将来、仕事をする上で役立てたい」
―周囲への思いは。
「自分たちだけでは商品開発はできない。協力していただく企業や先生、周りの人たちがあってできる活動。感謝の気持ちを忘れずにいたい」
―新高校に求めることは。
「フロンティア部の名前は伊東商の校訓『開拓』に由来している。高校の名前はなくなってしまうが、伝統や思いを引き継いでいってほしい。自分たちが経験したような取り組みができる場を残していってほしい」
(伊東支局・白柳一樹)