秋実る 「焼き畑」伝統継承へ 在来ソバ栽培

 静岡県内の山間地で古来行われてきた伝統農法「焼き畑」の文化を後世に残そうと、静岡市葵区小河内の農林業望月正人さん(69)と県内外から集まった有志が、同地区で在来ソバ栽培を行っている。
 山の急傾斜地にスギなどの葉や枝を積み重ねて作った「ヤボ焼き(やぶ焼き)」の畑の広さは約600平方メートル。ヤボ焼きは7月31日早朝にも行われ、望月さんが作業の安全を願う祝詞を読み上げた後、たいまつを使って燃やした。炎と煙が天高く舞い上がり、斜面を黒く焦がして2時間ほどで終了。熱気の残る地面を熊手で整えた後、在来ソバの種をまいた。
 ソバの種は1週間ほどで発芽。9月中旬になると白い小花が満開となり、山深い奥大井の地に収穫の秋の到来を静かに告げた。

写真特集


photo03 ヤボ焼きを行う山の斜面に木の枝などをだんだんに並べる=6月18日、静岡市葵区小河内
photo03 ヤボ焼き前に作業の安全を祈願する望月正人さん=7月31日
photo03 大きな炎と煙が斜面を覆ったヤボ焼き=7月31日
photo03 熱気の残る地面に在来ソバの種をまく=7月31日
photo03 秋空の下、白い小花を咲かせる在来ソバ=9月21日

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