コロナ禍の祈り 舞に込め 島田・第六街の住民、「鹿島踊」大祭で披露へ

 江戸時代中期に疫病退散を願って踊ったのが始まりとされる県指定無形民俗文化財「島田鹿島踊」が、8~10日に開かれる3年に1度の「島田大祭・帯まつり」で披露される。コロナ禍で祭りも一部縮小を余儀なくされる中、住民は「皆さんのさまざまな祈りとともに踊りたい」と練習に励んでいる。感染収束を願い、大祭では初の試みとして大井神社境内の春日神社前でも踊りを奉納する。

島田大祭本番に向け、練習に励む子どもたち=島田市の第三小
島田大祭本番に向け、練習に励む子どもたち=島田市の第三小


 鹿島踊りを伝承するのは第六街(本通6丁目、南町)の住民。小学4年~高校生までの32人が踊り子を務める。白丁(はくちょう)を先頭に三番叟(さんばそう)、お鏡、鼓、ささらが続き、楽人のおはやしに合わせてそれぞれ異なる所作で踊る。三番叟は後ろ向きで進んでいくのが特徴だ。
 これまで踊り子を務めた大人たちが師匠となり、口伝で受け継いできた。9月25日に第三小で始まった全体練習では、師匠部長の木村英雄さん(73)らが見守る中、子どもたちが掛け声を響かせて繰り返し所作を確認した。小学5年で初参加し、今回三番叟を務める山下智郁さん(16)は「地域の誇りを背負っているような気持ち。統一感のある踊りを見せたい」と意気込んだ。
 春日神社前での奉納踊りは9日に行う予定。第六街祭典本部代表の池田寿正さん(70)は「早く皆が安心して生活できるようにと願っている。子どもたちのひたむきな踊りを見てほしい」と話している。
 (島田支局・中村綾子)

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