引退競走馬が“再就職” サラブレッド、華麗な跳躍 御殿場で馬術競技会

 引退した競走馬が出場する馬術競技会「馬旅賞引退競走馬杯」が2日、御殿場市馬術・スポーツセンターで開かれた。地元の岡本ライディングクラブJAPANと北駿ホースヴィラなどから人馬17組が障害馬術競技に挑んだ。引退競走馬の活躍の場をつくろうとNPO法人日本乗馬普及協会(豊橋市、戸苅宏元理事長)が協賛した。

元競走馬のサラブレッドが躍動した「馬旅賞引退競走馬杯」=御殿場市馬術・スポーツセンター
元競走馬のサラブレッドが躍動した「馬旅賞引退競走馬杯」=御殿場市馬術・スポーツセンター


 日本社会人団体馬術連盟主催の大会、キャロットステークスの一競技として行われた。競馬界の名馬キングカメハメハを父に持つロンギングケイシー(現在の名前はキプリング)などサラブレッドが華麗な跳躍を見せた。
 同協会によると、引退競走馬のうち繁殖馬になれない3千~4千頭が行き場を失う。大学時代に馬術部に所属し元競走馬にも騎乗した戸苅理事長は、馬と人が共に豊かに暮らせる社会の実現を目指し、引退競走馬のセカンドキャリア支援を始めた。
 速さを求められた元競走馬は勝ち気が強く、リズムやテンポが必要な馬術競技に適応させるには時間がかかる。“再就職先”を増やすには乗馬の普及が欠かせない。協会は競馬ファンに魅力を伝えるなど、乗馬の裾野拡大に力を入れるという。
 (御殿場支局・矢嶋宏行)

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