富士山と武家の関係ひもとく 清見寺の宝物一堂 富士宮・世界遺産センターで特別展

 富士宮市の県富士山世界遺産センターは1日から「士(サムライ)たちの富士山」と題し、富士山と武家の文化的関係を2部構成でひもとく特別展を開催する。第1部(30日まで)は「清見寺と武家政権」がテーマ。富士山や三保松原ゆかりの名刹(めいさつ)、静岡市清水区の清見寺の宝物などを一堂に並べて、足利将軍や豊臣秀吉、徳川家康らと同寺の関わりを紹介している。

武家たちの崇敬を集めた清見寺に焦点を当てた特別展の第1部=富士宮市の県富士山世界遺産センター
武家たちの崇敬を集めた清見寺に焦点を当てた特別展の第1部=富士宮市の県富士山世界遺産センター

 足利尊氏によって再興された清見寺。会場入り口では尊氏の実際の容姿に近いとされる「木造足利尊氏坐像」が出迎える。同寺仏殿背部の開山堂に安置されている僧の木像2体を用意。このうち中興開山の大輝祥暹禅師は豊臣秀吉や徳川家康ら天下人と交遊を持ち、戦国時代の混乱で荒廃した同寺を復興発展させた。大輝からの贈り物に対する秀吉と家康の返礼なども並べた。
 第2部(11月3~27日)では、江戸時代の武家たちがいかに富士山に関心を寄せていたのか、11代将軍徳川家斉に上覧された2作品を軸に考察する内容。10月16日には、同センター松島仁教授による公開講座を開催する。

 

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞