防災ヘリで物資供給 川根本町の孤立集落に 台風15号豪雨災害

 台風15号の影響で付近の道路が寸断され、孤立集落となっている川根本町の壱町河内区に27日、県の防災ヘリがLPガスなどの支援物資を届けた。

台風被害で孤立集落となった地域に上空から物資を輸送する県防災ヘリ=27日午後4時15分ごろ、川根本町文沢(本社ヘリ「ジェリコ1号」から)
台風被害で孤立集落となった地域に上空から物資を輸送する県防災ヘリ=27日午後4時15分ごろ、川根本町文沢(本社ヘリ「ジェリコ1号」から)

 町が孤立集落から必要な支援物資を聞き取り、県に防災ヘリを要請した。機体は午後3時20分ごろに町内のヘリポートに到着。町が用意したLPガスボンベ11本と衛星携帯2台を機内に詰め込み、壱町河内区に運んだ。区内に住む前畑令司さん(83)は「支援物資は本当にありがたいが、飲料水がまだまだ足りていない状況。一日も早く復旧してほしい」と不安げに話した。
 町によると、同区につながる林道で倒木や崩土が複数発生し、アクセスが寸断された状況という。27日現在も13世帯29人が孤立していて、断水や停電が発生している。電話がつながらないため、町職員と区長が無線機で1日に数回やりとりを行い、これまでも車やバイクで食料や燃料などを届けたという。
 町内に派遣されている自衛隊は27日、現地に入り被害状況を調査した。林道では重機による撤去作業が本格的に始まったが、復旧のめどは立っていない。

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