静岡の入浴施設 無料開放「疲れ癒やして」 駿河健康ランド/やませみの湯

 静岡市の温泉施設やスポーツジムなどが、台風15号による大雨の影響で断水が続く同市清水区の住民らを対象に、施設を無料開放している。被災した世帯は給水支援を受けても、飲用やトイレ用が主で、入浴での使用までは回りにくいのが実情。汗を流し、たまった疲れを癒やそうと多くの住民らが訪れている。

疲れを癒やそうと多くの住民が温泉施設に集まっている=26日午後5時半ごろ、静岡市清水区興津東町の駿河健康ランド
疲れを癒やそうと多くの住民が温泉施設に集まっている=26日午後5時半ごろ、静岡市清水区興津東町の駿河健康ランド

 清水区興津東町の駿河健康ランドは井戸水を使って断水後も営業を継続し、25日早朝に興津東町と興津中町の住民に無料招待を告知した。1日の利用客数は普段、1400人ほどだが、この日は地元住民ら約1000人を含め約3700人まで達した。館内ロビーに長蛇の列ができ、従業員総出で接客した。支援は断水の解消まで続けるという。
 清水区西里の清水西里温泉浴場やませみの湯では、休館日の26日もシャワーを開放した。訪れた家族連れは「ありがとうございました」と従業員に声をかけ、さっぱりとした表情で家路についた。27日から通常営業に戻るが、復旧に当たる消防団員や被災者を対象に無料開放や割引サービスを続ける予定。
 一方で水道の復旧まで入浴を諦める人も多い。興津川の水が流れ込み、泥水がたまった建屋内で復旧作業に当たる興津川漁協の組合長牧野悠輔さん(80)は「沸かした水で体をサッと洗う程度で済ませている。断水が回復したら家の湯船にゆっくりつかるよ」と話した。

あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞