浜岡原発審査、防潮堤巡る対応焦点 原子力規制委、認識示す

 原子力規制委員会の山中伸介新委員長は26日の就任記者会見で、中部電力が再稼働を目指す浜岡原発3、4号機(御前崎市佐倉)の新規制基準適合性確認審査に関連し、防潮堤を巡る対応が今後の焦点になるとの認識を示した。中電は南海トラフ地震単独で発生する最大津波高を、防潮堤(22メートル)を上回る22・7メートルと評価している。

浜岡原発
浜岡原発

 山中氏は8月末に浜岡を視察しており、これも踏まえ「事業者自身が評価した津波の高さが、防潮堤を越えてしまっている事実がある。津波防護に対して設計で今後どう対応されるかが審査の焦点になる」と指摘した。
 議論が膠着(こうちゃく)している敷地内断層の活動性評価については「(視察で)断層の様子を見たが、やはりまだ判断するには明確でなく、しばらく時間がかかる印象を受けた」と振り返った。
 浜岡は最初の審査申請から8年半が経過している。山中氏は審査が長期化している全国の原発はそれぞれ固有の問題を抱えているとし、浜岡も「地震津波関係の審査で、事業者も規制側も非常に苦労している」と述べた。
 一方で、安全性向上に向けた中電の姿勢は「新しい取り組みを、勇気を持って提案してくれている」と好意的に受け止め、「規制側もできるだけ迅速な対応をしていく必要がある」と強調した。

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