台風15号影響 静岡県内各地で被害 土砂崩れなどで3人死傷、1人行方不明

 台風15号接近の影響で静岡県内は23日夜から24日未明にかけて、猛烈な雨が降った。県中西部を中心に台風の北東側で発達した雨雲が停滞して線状降水帯が発生。気象庁は11市町に対し、記録的短時間大雨情報を計32回発表した。大雨による土砂崩れなどで3人が死傷、1人が行方不明となっている。広い地域で道路の冠水や浸水害も確認された。東海道新幹線は県内区間で運転の見合わせが続き、東名や新東名高速道が通行止めされるなど、交通機関も大幅に乱れた。

土砂で家屋などが倒壊し、住人の男性が死亡した現場=24日午前8時半、掛川市遊家
土砂で家屋などが倒壊し、住人の男性が死亡した現場=24日午前8時半、掛川市遊家

 静岡県によると、掛川市では、土砂崩れで家屋が倒壊して男性1人が死亡した。川根本町では、陥没した道路に車が転落し、乗っていた1人が7メートル下の川に転落して行方不明となっている。浜松市天竜区では土砂崩れで1人が軽傷という。
 気象庁によると、24時間雨量は静岡市駿河区で416・5ミリ、同市葵区で405ミリ、藤枝市高根山で403ミリとなるなど、県内5地点で観測史上最大を記録した。中西部は9月の平均月降水量を超える雨が23、24の2日間で降った。
 土砂災害警戒情報は午前3時までに県内23市町に発表された。河川の氾濫危険性が高まったとして、浜松市、磐田、袋井の3市は一部地域に緊急安全確保を発令。焼津市や菊川市など12市町は避難指示を出した。県によると、一時、最大で121世帯、568人が避難所に避難した。
 東海道新幹線は23日夜から雨量規制で運転を中止し、県内区間で上下計5本が運行できず、乗客が一時、車内に閉じ込められた。24日も始発から三島―名古屋間などで運転を見合わせている。東海道本線は運転再開が未定。高速道路は東名、新東名、中部横断道の一部区間で通行止めとなっている。
 中部電力パワーグリッドによると、24日未明から、静岡市を中心に計11万戸余りで停電が発生し、同午前10時現在、復旧の見通しはたっていない。
 県は土砂災害警戒情報が発表された23市町に災害救助法の適用を決めた。

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