沼津駅南口に新ビル 鉄道高架化、まちづくり加速
JR沼津駅南口に23日、地元の老舗企業による新複合ビルが完成し、新規オープンした。同駅付近の鉄道高架化へ事業が始動し、周辺では再開発に向けた動きが見られる。市も事業化を急ぎ、中心市街地のまちづくりへ官民の取り組みが加速する。

新複合ビルを手掛けたのは寝具・インテリア商品販売の綿安商店(金井隆直社長)。創業は1854(安政元)年で、地元を代表する老舗として駅周辺の盛衰とともに歩んできた。1971(昭和46)年に建てた旧ビルの老朽化を受け、昨年4月に解体、着工。地上3階建てにリニューアルし、1階に本店機能、2階と3階に企業の事務所が入る方向という。
近くでは富士急行が3棟の複合ビルを建設中のほか、同駅南口から徒歩約10分のアーケード名店街(同市町方町)も再開発へ始動した。地元の複数の老舗企業による事業化も進みつつある。
金井社長はまちづくりについて、行政主導で担う部分が中心とした上で、「民間も意識を持つ必要がある。(新ビルが)にぎわい創出の一助になれば」と意欲を示す。
■対面販売と専門性強化 綿安商店
綿安商店は対面販売と専門性を強化する。社員が「スリープマスター」や「タオルソムリエ」といった資格を取得し、多様化する客のニーズに対応する。
新複合ビル「わたやす沼津駅前本店」のオープンを機に、誘客を図ることで地域再生も目指すという。金井隆直社長は「こだわりを大事にしたい」と話す。