五穀豊穣願い「お櫃(ひつ)納め」 御前崎・桜ケ池
御前崎市佐倉の池宮神社(佐倉東武宮司)で23日、県指定無形民俗文化財の奇祭「お櫃(ひつ)納め」が行われた。五穀豊穣(ほうじょう)や心願成就を願い、地元の若者でつくる遊泳団が赤飯を詰めたお櫃40個を境内の桜ケ池に沈めた。

お櫃は2個が神社と池にささげる「神櫃(しんぴつ)」で、残り38個は全国の崇敬者が奉納した。ふんどしを締めた20~40代の男衆は神事でおはらいを受けた後、池に入った。泳法は立ち泳ぎ。約200メートル先の対岸からお櫃を運び出し、折り返して池の中央に沈めた。約1時間半かけて全てのお櫃を沈め、参拝者は池のほとりから拍手を送りながら様子を見守った。
同神社によると、桜ケ池には平安時代末期に名僧の皇円が竜神と化して入ったという伝説があり、高弟の法然が供養のため始めたのがお櫃納めとされる。800年以上の歴史があるという。