リニア 山梨の先進坑着工、静岡県境まで1キロ位置 JR社長会見

 JR東海の金子慎社長は22日の記者会見で、リニア中央新幹線南アルプストンネル工事の山梨工区に関し、静岡県側に最も近い広河原斜坑の掘削が8月に完了し、静岡県境側に向けた先進坑(本坑掘削前に掘る小さいトンネル)の工事に着手したと明らかにした。現状では先進坑の先端から県境までの距離は約1キロだと説明した。

 5月末時点で、広河原斜坑を含めた県境までの距離は約1・1キロだった。金子氏は「大井川流域の理解を得られないまま、県境を越えて工事を進めていく考えはない」との認識を改めて強調した。県境手前のどの地点まで掘り進めるかについては、現地の状況を見て判断するとした。
 静岡工区の工事に伴って発生する自然由来の汚染物質が含まれる「要対策土」を大井川上流部の藤島沢(静岡市葵区)に積み上げ存置する計画に関し、金子氏は川勝平太知事との13日の会談で、県盛り土規制条例を理由に認められないと直接伝えられた。金子氏は、県内の他の土木工事で例外的に盛り土できる「適用除外」がどのように扱われているかなどを県に確認する意向を示し「聞いた上で判断する。今の時点で何か決めていることはない」と計画の変更には言及しなかった。

一問一答 川勝知事との再会談に意欲

 22日に行われたJR東海の金子慎社長の記者会見で、リニア中央新幹線工事に関する主なやりとりは次の通り。
 ―13日に川勝平太知事と面会した。成果と今後の交渉の考えは。
 「知事が言及した山梨県駅と神奈川県駅の部分開業に関し、考えていないと直接説明できたのは良かった。残念ながら静岡工区の早期着手について理解、協力を具体的に示すコメントはいただけなかった。この先どうするかは決まっていない。また必要に応じてお会いしたい」
 ―藤島沢の要対策土置き場について、知事から県条例に基づき認められない、適用除外にもならないと伝えられた。現計画の撤回や変更は考えているか。
 「まずは、道路や港湾など県内の他の土木工事で発生する自然由来の重金属を含む発生土の扱いについて、例外規定がどう扱われるかなどを詳しく聞きたい。確認してから、今後の対応を決める」
 ―県は長野、静岡、山梨の工区設定の経緯を明らかにするよう文書で要請した。山梨工区は静岡県側に1・1キロ入り込むが、どのように決まったのか。
 「工事の安全の観点から考えたが、しっかりと文書で県に答えたい」
 ―山梨工区の進捗(しんちょく)は。
 「8月に広河原斜坑の掘削を完了し、先進坑の掘削を始めた。現状は先進坑の先端から静岡県境まで約1キロ。大井川流域の理解が得られないまま、県境を越えて工事を進める考えはない。(どこまで掘り進めるかは)現地の状況によると思う」

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