歴史的円安「生活防衛」さらに強く 静岡県内企業、価格抑制に知恵

 22日の東京外国為替市場で一時、1ドル=145円台に急落した円相場。政府、日銀が為替介入に動くなど歴史的な円安のなか、為替の影響を受ける原材料・エネルギー高で家計負担が増している。一部の県内企業は賞味期限切れや間近の商品を仕入れたり、原価が安い代替材料を活用したりと価格の抑制に知恵を絞る。消費者側も安い品を一度に大量に買う動きが出るなどインフレ加速に対する生活防衛を強めている。

通常品よりも割安な商品が並ぶ売り場=20日、静岡市駿河区
通常品よりも割安な商品が並ぶ売り場=20日、静岡市駿河区

 「あらゆる物価が高騰しているので、多少古くても安い方が助かる」。しずおか食品市場静岡店(静岡市駿河区)を訪れた同市の男性(73)はつぶやいた。
 2020年に開店した同店は、食品ロス削減を目的に賞味期限切れや間近の品が並ぶ。通常の1~5割引きの菓子やカップ麺など約800品目を扱い、使用頻度が高い菜種油や米が人気。カップ麺をケースで買う客も少なくない。
 運営会社「神成」(同区)の白鳥真代食品部門長(41)は「スーパーをはしごし、10円単位で比較する人が多い。家計が厳しい人が増えていると痛感する」と語る。
 マキヤ(富士市)が県内で33店舗運営する「業務スーパー」では、ポテトや唐揚げといった冷凍食品が好調で、キロ単位で買う客も。業務用で商品1点当たりの容量が多い分、個包装を省いてコストを削減。段ボールのまま陳列するなど販管費も抑えている。
 今年4~6月の売上高は前年比で1割増えた。担当者は「物価高の今、漫然と物を売っても買ってくれない。商品の魅力発信に注力し、顧客の共感を得ていく」と話す。
 宅配食業界でも、価格を据え置く業者の利用が高まる。ヨシケイ開発(静岡市駿河区)は、主菜副菜2品セットの6、7月の新規顧客数が前年同月比で5割増えた。
 味は良いが、知名度が低くて安いメカジキなどの魚を代替材料に採用し、工夫して価格を維持する。広報プロモーション部の西山昂平さん(30)は「カットして提供するなど調理の手間を省けることも割安感につながっている。経営努力で今後も価格転嫁を最小限に抑えたい」と語る。

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