リニア「27年開業を不可能にした」 川勝知事、車両基地の整備遅れ巡り神奈川県を批判

 静岡県の川勝平太知事は22日の定例記者会見で、リニア中央新幹線建設計画でJR東海が目指す2027年の品川―名古屋間開業に遅れが見込まれている要因として、関東車両基地(相模原市)の用地取得の遅れがあるとして、「一義的には神奈川県に責任がある。27年開業を不可能にした」と批判した。
 川勝知事は、神奈川県が15年3月にJRから用地取得を受託したことを挙げ、「7年前に締結して(現在の用地取得は)約5割。あと半分に7年かかったら27年を超えてしまうのでは」と疑問を呈した。JRの金子慎社長が今月13日の対談で工期短縮により27年までに車両基地を整備できると説明したことに、「どういう根拠で言っているのか問わねばならない」と述べた。
 また、10年の国土交通省交通政策審議会小委員会でJRが示した資料を基に、JRが当初は健全経営維持のため長期債務残高を5兆円以内に抑える必要性を強調したにもかかわらず、21年4月に1・5兆円の工事費増額を発表して長期債務残高も膨らむ見通しとなったとして、「国に出した計画を大きく裏切るもの」と批判。リニア建設促進期成同盟会で「ビジネスモデルが崩壊に近い状態にあることを共通認識にした上で、最先端技術を継承する必要がある」と主張した。

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