バス短時間置き去り3件 直近1年「ヒヤリ事案」43件 静岡県、保育施設調査結果を公表

 静岡県は22日、牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」で園児が送迎バス内に置き去りにされ死亡した事件を受け、県内の保育所や認定こども園などを対象にした送迎バス運行状況調査の結果を公表した。直近1年間に発生した事故につながりかねない「ヒヤリ・ハット事案」は43件あり、うち3件はバス内に園児が短時間取り残されていたと明らかにした。

静岡県庁
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 県内で送迎バスを運行する232施設が回答した。短時間置き去りの3件は乗務員が園児の降車を確認しなかったが、運転手が1~2分後に取り残されていることに気がついた。いずれも重大事故には至らなかったという。保護者が迎えに行くとの連絡が職員間で共有されず、園児を乗せたバスが出発した事例などもあった。
 降車後の車内点検については82・3%が運転手と補助員によるダブルチェックを実施していると回答。「実施していない」とした施設はゼロだった。降車時の園児の確認方法は、名簿や座席表、アプリなどの活用が73・7%、目視のみは25・9%だった。
 昨年7月に福岡県中間市の保育園で同様の死亡事件が起きた後、危機管理マニュアルを改定したと答えた施設は約8割だった。
 県は27日から、調査対象となった全ての施設に立ち入り指導を実施する。こども未来局の担当者は「多くの施設でダブルチェックの態勢が取られているが、具体的な確認方法やマニュアル整備の面では改善の余地がある」と指摘。「立ち入り指導によって具体的な安全管理手順を確認し、必要に応じて指導を行っていく」と話した。

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